サーバー移転顛末記

はじめに

一応時間を無駄にしないために書いておきます。「暇な人以外は見ないほうがいい」

「サーバー移転顛末記」なんて書いてますが、大げさなタイトルです。

ただホームページのアドレスとホスティングするサーバーを変えただけのお話です。

どういう経緯でどう決めたかをグダグダと書いただけなので、具体的な移転方法は一切書いていません。

どうでもいいことですが、テキストしかほとんどないのにBootstrap使う意味あるのか?という突っ込みが来ることは知っててあえてそうしています。

きっかけ

1999年。ADSLがなく、ダイヤルアップ接続が主流だった時代。 筆者が使用していたプロバイダは完全従量制だったため、アクセスポイントにつなぎさえしなければ月額料金がかからなかった。 それにもかかわらず、メールアドレス1個と、CGIが使える50MBのホームページスペースが追加料金なしで使用できた。 当時、ここまでもらえるプロバイダはなかった。 筆者の記憶では、筆者が契約してから2年ほど後になってから完全従量制プランでは50MBのホームページスペースがもらえなくなっていた。 CGIが使えるホームページスペース目当てで、別のプロバイダを使っていながら追加で契約した人が多かったせいかもしれない。 サーバーの維持費を負担しない人が増えてしまいコストがかさむことが原因だろう。

しかし、ダイヤルアップ時代はとっくの昔に終わり、今は光回線である。 ダイヤルアップで接続しなくてもインターネットに常時接続できるようになり、 ダイヤルアップ接続にかかるプロバイダ料金がなくなった。 筆者の住居はインターネット接続が管理費に含まれるようになり実質無料である。 ダイヤルアップ時代のプロバイダには一銭も払ってないにもかかわらず、 今でもメールもホームページも使える。 プロバイダと契約していることを次第に忘れてしまい、ホームページの更新もしなくなり、 メールアドレスも放置状態。次第に迷惑メールの山に埋もれるようになってしまい、Gmailに移った。 ホームページも更新しなくなったのだが、CGIの掲示板は黙々と動いている。

もちろん、放置していても何事もなければ費用は全然掛からないのだが、非常に気持ち悪い。 特に...

そこで、ダイヤルアップ時代のプロバイダを解約して、ホスティングしているサーバーの移転を決めた。

ドメインの取得

ホームページの移転にドメインの取得は必須ではないが、せっかくなのでドメインも手に入れておくことにした。 適当に名前を決めてドメインを入手。

年額で1000円ぐらいかかるのだが、自分のドメインがあると使い道は他にもいろいろあるので、 維持費がかかってもよいと判断した。円安のせいで維持費が上がってるんだよな・・・。勘弁してくれ。

サーバーの条件

一番重要なサーバー選び。無料のものからいろいろある。ありすぎて困るので、自分のニーズに合ったものを選ぶ必要がある。

今回は、次の条件に合致するものを探すことにした。

以上。速度、安定性、転送量、サポート面は優先しないことにした。

候補 (~2016)

条件に合致する候補は見つかった。

SITEMIX

tok2系列。ちなみにtok2は独自ドメインが使えない。
○容量1.5GB、PHP、CGI、MySQL対応
×非常に大きい広告 (非表示には158円/月)
一見無料でCGIも使えるためよさげに見えるが、 30日以上更新しないと広告スペースが非常に大きくなり目障りなのが最大の欠点。 tok2系列ということでお察しください、ということでしょうか。

さくらのレンタルサーバ

格安で有名なところその1。
○10GB、PHP、CGI(Perl、Ruby、Python)が使える、年額1543円(月額約129円、税込)
×反応速度が遅い
安くてそこそこの安定性を求めるなら多分ここになる。 独自ドメインは20個まで。 MySQLは上位プランでなければ使えないが、条件には入っていないので不問。

ロリポップ

格安で有名なところその2。GMOグループ。
○10GB、PHP、CGI(Perl、Ruby、Python)が使える、月額108円
×反応速度が遅い
さくらと比べて料金以外の差はほとんどない。 クラックされた実績、クラックされた時の対応のまずさ、GMOグループであることを気にしなければよい候補。

domainpower

※アカウントが勝手に削除されログインできなくなりました・・・。

○広告なし、PHP、Perl、Ruby、Python、MySQLが使える
×応答速度が遅い、ファイルサイズと拡張子に制限あり、管理体制が不明、更新しないと消される?
容量は250MBと他よりは少なめだが、移転前が50MBなことを考えると十分すぎる容量である。 CGIも独自ドメインも使えて、広告もないのに無料である。
ただ、1ファイルのサイズが2MBまでだったり、バイナリファイル(拡張子がexeやzipなど)のアップロードを拒否されるなどの制限がある。

候補絞り込み、決定

できるだけ維持費はかけたくないので、domainpowerにしていた。 ところが、アカウントが削除されてしまったので、仕方なく別に借りているクラウドサーバーに移すことにした。


ここからは、サーバー候補番外編。

エックスサーバー

ハイスペックなサーバーを高コストパフォーマンスで使えるところ。
○容量200GB。PHP、CGI(Perl、Ruby、Python)、MySQLが使える、独自ドメイン制限数なし、ハードウェアスペック高
×月額1080円(税込、12か月契約の場合)
有料の中でも比較的高いが、その分ドメイン数に制限はなく、高稼働率(99.99%以上)を特長とする。 サイトを大量に作るならこれ1つでよいのかもしれない。 転送量制限は50GB/日だが、ページビューが少なかったりサイトを多数作ったりしない限り問題になることはなさそう。 料金面さえ問題なければここがよいのではないか。 ただ、このサイトのようにWordpressを使っていない上にページビューを稼いでいないのでオーバースペックである。
ちなみに、同じ運営会社にXFREE(※以前はXdomainと呼ばれていた)という無料サービスもあるが、CGIが使えない。

Amazon S3

オブジェクトストレージの定番。
○トラフィックが少なければ低料金、トラフィックが急増に強い、稼働率も高い
×CGI非対応、料金青天井の可能性、米ドルの為替レートに影響
もともとはクラウドストレージ用なのだが、パーミッション設定を適切に行えばWebサイトも構築できる。 Route53を使ったり、DNSのCNAMEレコードでS3に設定すれば、独自ドメインも使用できる。 容量は無制限だが完全従量制なので1GB単位で請求される。それでも単価は安い。 最低で月に約5円しかかからないのに、高可用性、計画停止なし、自動スケーリングで突発的なトラフィック増にも対応可。 しかし、S3はストレージサービスである。CGIは一切使用できないので今回は採用しなかった。 月に1GBより多く送信すると(ストレージ料金から見ると)割高な転送料が1GB単位でかかることも注意が必要である。 大容量ファイルをダウンロードするようなサイトは向かない場合がある。

ServersMan

低価格国内VPSの先駆者。
○Webサーバーはもちろんあらゆるサーバーが建てられる、VPSでは最安クラスの504円/月(税込)
×要自力運用、サーバーの性能、安定性が微妙、同価格帯のレンタルサーバーと比べると容量が少ない
VPSなのでできることから見ればオーバースペック。 それでも月500円でroot権限の付いた仮想サーバーが使えるのは非常にお手頃である。 もちろん、VPSの中ではほぼ最安なので、サーバーの性能は低く、時々ネットワーク障害が発生してつながらないことがある。 同じ価格帯のレンタルサーバーよりも安定していないのではないか。
安いと言っても、運用コストが別にかかることに注意が必要である。 サーバー設定からセキュリティ対策、そしてハードウェアとネットワーク以外の障害まで原則自分で対処しなければならない。 それらができない人は契約してはいけない商品である。
運用コスト面で問題になりそうなので、これも採用しないことにした。

ウェブクロウ

○広告なし(orスマートフォンのみ広告)、PHP可、MySQL対応
×CGI非対応
容量1GBで広告がないのに無料で使えて、独自ドメインも使用できる。 広告なし、PHPとMySQL(制限付)、容量追加のいずれか1つが選べる。 しかも、広告なし以外を選択していても、PCでは表示されずスマートフォン/タブレットにしか出ないようだ。 CGIさえ使えればこれにしたのだが・・・非常に惜しい。 とりあえず、domainpowerが落ちた時の緊急退避サーバーとして確保。

自宅サーバー(by RaspberryPi)

○マシンを借りるのではなく所有するので基本的に何でもできる
×初期費用高、信頼性低、自宅のIPアドレスを晒すことになる
RaspberryPiを導入すれば、24時間稼働させても電気代が安く済む。 CPUはRaspberryPi2であればARM 900MHzだが4コアと案外性能はある。CGIを動かしても頻繁に来なければ耐えられるだろう。 自分のものなのでやりたい放題できる。冗長構成を組むのもサーバー障害を起こすのも自分次第。 いくらハードウェアを冗長構成にしても、ネットワークや電源の冗長化は自宅内ではほとんど不可能である。 電力供給の信頼性もデーターセンターに遠く及ばない。というわけで、信頼性は全然ない。 その上初期費用として最低でも6000円は必要、自宅のIPアドレスは固定でそれを晒したくないなどで見送った。


候補 (2018~)

実は、ドメイン契約時に無料でもらえるレンタルサーバーがあった。
筆者はドメインをスタードメインから購入したが、その時に無料でついてくるレンタルサーバーが 2018年にリニューアルされ、あらゆる機能がスペックアップしていた。

リニューアル前は容量こそ10GBあったが、CGIが使えず眼中になかった。
リニューアル後は容量3GBでCGIも利用可、おまけにPHPが動きMySQLも100MBまでだが使える。 これだけ使えるのに広告が入らない。 リニューアル前後で比べると容量や使えるサブドメイン数が減っているが、それでも必要十分な容量である。 維持費もかからず放置して良く、条件にぴったりである。 使用しているクラウドサーバーのOSのサポートが切れる時に移動しようと思う。

※このレンタルサーバーはどうやらエックスサーバーの又貸しらしく、 レンタルサーバー自体の性能はそれなりもののようだ。